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あさの金町クリニック

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浅野 次義 院長
インタビュー
浅野 次義 院長 アサノ ツグヨシ
TSUGUYOSI ASANO
あさの金町クリニック
出身地:東京都
趣味・特技:スキューバダイビング、水泳
好きな本・愛読書:SF小説
好きな映画:SF/スター・ウォーズ、アバター、バトルシップ
好きな言葉・座右の銘:Vouloir, c'est pouvoir.(求めよさらば与えられん)
好きな音楽・アーティスト:バラード系/DREAMS COME TRUE、平原綾香、安西マリア、坂本冬美
好きな場所・観光地:タヒチ、慶良間諸島
■この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。
私の父方は祖父も叔父も、そして父も、大半が歯医者という家系でしたので、私も「歯医者にならないければ・・・」とは思っていました。ところが私が少年時代を過ごした昭和30年代といのは、今のように優れた治療器具が備わっている時代ではありません。歯が悪かった私は父に治療をしてもらっていたのですが、その時代が時代ですから、歯を削るのも痛くてたまらず、その経験から「歯医者なんかになるものか」と思ってしまったのです(笑)。
一方、私の母方はというと、ほぼ全てが医者という家系でした。歯医者を目指さないのであれば医者を目指そうとなるのが自然なことでもあり、そうした経緯で現在の道に進んだということになります。
大学を卒業後、以前から興味を持っていた神経内科を選択しました。神経学というのはそもそもフランスで精神科から枝分かれして発症したものになります。純粋に脳について勉強をしたいと考えていた私は、その大本であるフランスに渡って勉強に励むことになりました。
フランスから帰国後、大森赤十字病院を経て慈恵医大青戸病院に長らく勤務しました。それまでとは一転して臨床の現場に身を置くことになったわけですが、そこで初めて実践医学の重要性とその奥深さに気づくこととなり、文字通り腕を磨く日々を過ごしました。
『あさの金町クリニック』は2000年に開院しました。私の母校である慈恵医大には「開業医を育てる」という1つの方針があります。つまりは、学んだものを実際に活かしていく。私もこれまで培ってきた経験を活かしていきながら、今後も地域医療の発展に力を尽くしていきたいと考えています。

浅野 次義 院長 浅野 次義 院長

■生活習慣病の改善に長らく取り組んでおられると伺っていますが?
私は神経内科を専門としていましたが、青戸病院に来た当時はそもそも神経内科の外来が存在していませんでした。ただし、私の場合は同時に糖尿病の専門医でもありましたから、糖尿病内科と神経内科、両方を一手に引き受けることになってしまったのです。
ところで、神経内科には脳卒中を患った方々が多く見えられます。その脳卒中に至る原因を考えますと、高血圧や高コレステロール、肥満といったような糖尿病にダイレクトに関係するものが大半なのです。神経内科と糖尿病。異なる2つの科が密接にリンクしていることに着目し、生活習慣病の克服こそ最大の重要事と考えるようになっていった次第です。
生活習慣病を改善するには、食事・運動・生活習慣の3つを診ていく必要があります。このうち、食事と運動については、『あさの金町クリニック体操教室』を開催し、「からだを動かす心地よさ」を味わっていただきながら疾患の予防と改善に努めています。また、クリニックに併設されている『浅野生活習慣病予防研究所』において、生活習慣病に関する知識を広げるべく活動しています。

■最近、先生が気になっている疾患や傾向はございますか?
浅野 次義 院長いわゆる小児肥満が現在大きな問題となってきています。小児肥満は成人してからも肥満を引きずってしまいますので、結果としてメタボにおちいりがちです。では小児肥満を改善するにはどうすれば良いか?ということになりますと、当然のことながら子供の生活を管理するお母さんに指導しなければなりません。
しかし、小児科の先生がお母さんに対して検査や生活指導をおこなうのは容易なことではありません。そこで現在、近隣の小児科の先生方と協力し合い、小児肥満のお子さんのいらっしゃるお母さんの生活指導を当クリニックが受け持つという体制を整えようとしています。お母さんを指導することで子供の肥満を改善していく。この取り組みは今後、より重要になってくると考えています。

■認知症への取り組みをご紹介ください。
私が開業してから13年が経つ計算になり、80歳や90歳になられた患者さんが多くなってきました。認知症=アルツハイマーの発症例が多くみられるようになったのは偶然ではないということですね。 現在、葛飾区では認知症サポート医というシステムを構築しています。まずはかかりつけ医の先生が認知症を早期に発見してその進行をなるべく遅らせるよう努力する。症状が進んでいる方の場合は、私を含めた専門医がかかりつけ医の先生をサポートし、さらに深刻な場合、今度は大きな病院に患者さんをお送りしてより専門的な治療をおこなっていく。認知症に対して包括的に診ていける体制を作っていくのがこのシステムの肝ということになります。
認知症は特効薬といったものが存在しない疾患であり、現在の治療としてはその進行をなるべく“遅らせる”というものに限定されます。しかし、その“遅らせる”ということには大きな意味があるのです。
統計を見ますと、現在、80歳で認知症の患者さんは4人に1人。これが85歳になると3人に1人となり、90歳になれば実に2人に1人という結果が出ています。要するに80歳から90歳までの間に爆発的に認知症の患者さんは増えていくわけであり、少しでも症状の進行を先送りさせることによって、将来的な展望が開けてくるということになります。
先に申し上げた小児肥満もしかり、認知症もしかりで、長期的な展望にたって患者さんを診ていくといのが開業医の使命であると考えています。

■最後に地域の皆様にメッセージをお願いします。
地域の皆様が健康で長生きできるようにサポートしていくのが、我々医師の役割でありますが、と同時に、患者さんの心のケアをしていくことも重要な責務だと考えています。病気はその方にとって大きな悩みであり、その悩みは心をも蝕んでいきかねません。病気の悩みを少しでも軽くしてあげられるような診療をしていきたいと思っていますし、患者さんが安心を得られるクリニックでありたいと考えています。

※上記記事は2013.6に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。


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