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永寿堂医院

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松永 貞一 院長
インタビュー
松永 貞一 院長 マツナガ テイイチ
TEIICHI MATSUNAGA
永寿堂医院
生年月日:1948年1月11日
出身地:栃木県
血液型:AB型
趣味・特技:音楽鑑賞、読書、旅行
好きな本・愛読書:ノンフィフクション
好きな映画:山田洋次監督作品
好きな言葉・座右の銘:考えろ
好きな音楽:クラシック
好きな場所・観光地:欧州の名もない土地(を、自転車に乗って出会いと驚きを求めて旅をするのが良いんだね)
■この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。
父から言われたものだから、イヤイヤというのが正直なところ(苦笑)。『永寿堂医院』はもともと祖父が薬局として興し、父が医院としてその名を継いだという流れがあって、私はその2代目ということになるの。
私はこう見えて意外にいい子でね(笑)、父はともかく、口に出さずとも母親の「息子には医院を継いでもらいたい」という希望には添いたいと思ってた。周囲の期待に応えるべく医者になるためにガムシャラに進んで、実際に大学に入ったは良いんだが、そこで初めて、「これは違ったかもしれない」と思ったわけ(苦笑)。まあ、思った時にはすでに遅いということで、殆どの人間はそういうものかもしれないね。

松永 貞一 院長 松永 貞一 院長

■『永寿堂医院』の概要を教えてください。
大学では小児科を専門にしていたから、ここでは小児科と内科を診ているということになるね。内科・小児科じゃなくて、小児科・内科ね。小児科の医者が内科の領域も診ているということ。まあ、自分の能力の及ぶ範囲は知ってるから、だからこそ、月曜日は消化器、金曜日には循環器と、それぞれ専門医に診てもらう体制をとってるってことになる。
さっきも言ったけど、専門はあくまで小児科なんだけども、実際は町医者ということだね。何でも診るというか、診なきゃならないし、必要に応じてそれを振り分けていく。それが街のお医者さんの役割なんだと思うね。

■開業医に求められる仕事について、先生のお考えをお聞かせください。
松永 貞一 院長医者の仕事ってなんだと思う? 病気を治すこと・・・それは半分正解で半分間違ってる。一番大事なのは患者さんの評価。例えばお腹が痛いって誰か来るとする。痛み止めを出せば終わりかっていうとそうじゃないよね。その痛みはどこからくるのか。盲腸かもしれないし、女性ならば卵巣嚢腫の発作の可能性もある。もしかしたら、昨日食べた何かが悪さしてるのかもしれない(笑)。
原因がわからないで治せるものはないの。これは内科系か、外科系か、婦人科系か、それともその他系なのかをまず評価しなくちゃいけない。評価が終わり、診断がついて初めて治療が可能になる。そこから先はさっきも言ったように、自分で出来るものは自分で、分を越えると判断したらば専門の先生に任せる。あとあるとしたら、考える材料を患者さんに与えるということになるかな。

■ワクチン接種の重要性について、先生はどう思われていますか?
小児科の一般的な立ち位置としては、「ワクチンは何でも早くすべてを打ちなさい」だよね。でもそれ以前になんでワクチンを打つんだろうね。今は様々なワクチンがあるから、それを全部やるとなると大変でしょ。となると打つものを選ばなきゃならない。じゃ、何を根拠に選んだら良いのかってなると、それは死に至る病を防ぐため、だよね。
これは極論だけど、“今の日本”において、例えば子宮頸癌ワクチンなんかは打つ必要がないと思ってるの。なぜかと言うと、子宮頸癌については検診があるから。でもね、葛飾区で言えば検診率はたったの20%。欧米では80%を越えてるにもかかわらずね。乱暴な言い方をすると、検診を受けないでワクチンを望むのは、パンツも履かずに素っ裸でイヤリングをしてるようなものよ。まずはパンツを履かないことにはね。
今年(2013年)の4月から子宮頸癌ワクチンは無料で受けられるようになって、そのこと自体は悪いことではないのかもしれない。でもその一方でおたふくや水ぼうそう・・・おたふくや水ぼうそうは言ってみればパンツや上着だからね。順番が違うと思うでしょ。
ワクチンを打つのは良い。でも、子宮頸癌について言えばその前に検診を受けるべきで、だからこそ、自分の頭で考え選択していって欲しいね。

■最後に地域の皆様にメッセージをお願いします。
今のお医者さんもそうだし、患者さんにしてもそうで、みんなマニュアル化されてるような気がする。誰かがこう言った、あの本にはこう書いてあるとか、ね。それと、人間みなそうかもしれないけど、自分が見たいと思うものだけを見ようとする傾向があると思う。まず現実を直視し、それを判断の材料にして、自分の健康は自分で考えるということをしてもらいたいし、そこをスタートにしてよく相談出来る医者を家庭医として持ってもらいたい。それが私から皆さんへのメッセージであり、希望ということかな。

※上記記事は2013.6に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。


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