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日本金工デザインスクール

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西山 文章 鍛金技能士
インタビュー
西山 文章 鍛金技能士 ニシヤマ フミアキ
FUMIAKI NISHIYAMA
日本金工デザインスクール
生年月日:1943年1月12日
出身地:東京都
血液型:A型
趣味・特技:声楽・社交ダンスほか 多趣味です
好きな本・愛読書:『思考は現実化する』ナポレオン・ヒル
好きな映画:スカッとするアクションもの
好きな言葉・座右の銘:努力
好きな音楽:演歌からクラシックまで
好きな場所・観光地:公園(緑の多い場所が好きです)
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■この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。
私の父が鍛金職人だったものですから、中学の頃から少しずつ手伝いをさせられていたんです。学校が終わってみんなが遊びに行くのを横目に、母と一緒に砥石と炭を使って「研ぎ」の作業なんかをしていましたね(苦笑)。他の友達が自由な時間を過ごすことを多少うらやましく思いましたけれど、父の姿を見ていて自分も一生懸命にやらなくてはいけないな、と考えていました。
水道橋にある都立工芸高校の金属科を卒業した後、ジュエリーデザインなどを学んで、35歳の頃に父の元から独立してこの高砂に工房を構えたんです。そして、鍛金の技術を広めて行きたいという思いから「日本金工デザインスクール」を開設しました。

西山 文章 鍛金技能士 西山 文章 鍛金技能士

■日本金工デザインスクールについてご紹介ください。
スクールには、彫金科、ロストワックス科、鍛金科の3つのコースがあります。会社帰りに趣味で通われる方や現役デザイナーの方、工房での体験から面白さを発見した中学生など、さまざまな年代の方が通われます。これまでにブラジルやイスラエル、韓国など海外からの生徒さんもいらっしゃいましたね。日本が誇る伝統的な技術に多くの方が触れることは、とても嬉しいことだと思っています。
授業は1時間=1枚のチケット制になっていますから、生徒さんのペースで通っていただけます。お一人ずつに作業スペースが必要ですから、1クラスの生徒さんは5人程度ですね。道具の使い方などの基本を学んだ後は、だんだんとステップアップして自分の手で作品を作り上げて行くわけです。作品と向き合うなかで鍛金や彫金の面白さ、素晴らしさを感じていただきたいですね。私がもつ技術は、どんどんお伝えしたいと思っています。ただし、教えたくても教えられないのが「感性」です。作品をデザインする上で欠かすことのできない感性は、本を読んだり映画やお芝居、芸術作品を観たりして、自分を磨くことで高まって行くものなんですよ。私のように多趣味にしていると、アイディアの引き出しが増えるかも知れませんよ(笑)。

■作品づくりで心がけていることは何でしょう?
西山 文章 鍛金技能士仕事に関しては、手を抜かないことを心がけています。そして、道具を丁寧に扱うことにも注意を払いますね。時に道具の傷がそのまま製品の傷になることがあります。道具に愛情をもってキチンと整理していれば、作業もスムーズですからね。作業台のまわりはいつもスッキリと片付けているんです。
昔は父と同じように、主に鍛金で洋食器などを作っていましたね。銀の食器は手入れが大変だと言われますけれど、浄化作用がありますから銀製のカップでビールなんか飲むと最高に美味しいんですよ(笑)。独立をきっかけにジュエリーも手がけるようになったのですが、これまでにプラチナと金をベースにした5億円の王冠、有名デザイナーから依頼されたアームリングなど様々な作品を作ってきました。なかでも特に思い出深いのが、東京芸術大学名誉教授で日本画家の加山又造氏と仕事をしたことです。お互いに仕事には一切の妥協を許さないので大変な思いもしましたけれど、とても充実した楽しい時間でしたね。
鍛金のなかでも私が最も得意とするところは、「変形絞り」ですね。1枚の板を金槌で叩いて立体的に形成することを「絞り」と言うのですが、左右対称、まん丸に絞ることは、それほど難しいことではないんです。ところが、これを猫やウサギなど自由な形に叩き上げて行く、これは職人がもつ技術の差が出るところなんですよ。今じゃコンピューター制御された機械で何でも作れるのかも知れないけれど、これからも人のぬくもりが感じられる、あたたかい作品を作り続けて行きたいと思っています。

■数々の受賞歴をお持ちですが、ご自身の活動についても教えてください。
長い職人人生のなかで、いろいろな賞をいただいたことは誇りに思いますね。そして私の実績を評価してくださったのか、国からも通商産業大臣認定の伝統工芸士、厚生労働大臣認定の卓越技能者として表彰していただきました。
そんなご縁もあって5年ほど前には、経済産業省がサポートする発展途上国への支援プログラムのなかで鍛金マイスターとして約1年間ラオスに派遣されました。現地では主に金と銀についての技術を教えていたのですが、言葉には苦労したものの日本に戻った今でも交流が続いているんですよ。そのほか国内では定期的に沖縄を訪れて2、3ヵ月滞在するなかで技術指導をしています。沖縄は漆や木工、織物なんかは盛んだけど、金属加工の技術はまだまだこれからなんですよね。国内外を問わず次の世代の方に金工の技術を伝えて行くことが、今の私の使命なのだと考えています。

■最後に、地域の皆様にメッセージをお願いします。
さまざまな金属のなかでも"あたたかみ"が感じられること。私はこれが銀の魅力だと思っています。銀のジュエリーはお手入れが大変だと敬遠する方もいらっしゃいますが、私が手がけるジュエリーにはロジウムメッキを施してありますから、普段から気軽に身につけていただきたいですね。
こちらの工房ではスクールの生徒さんのほかに、2時間ほどで指輪の型を作る「体験レッスン」も受け付けています。ジュエリーに興味をお持ちの方、日本の伝統技術の世界を覗いてみたい方、お友達同士でぜひお出かけください。私も生涯現役で頑張ります。

※上記記事は2013.2に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

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